旅行鞄の中の不思議なもの Jun.18,2001






音響カプラーです。

1980年代の終わり頃にモデムが一般的に普及してからというもの
絶滅したかに思えていた音響カプラーですが、
今でもこんな所で必需品としての地位を守っています。

単なるメールのやりとりであれば携帯電話やPDAで充分ですが、
添付ファイルが・・・、ネットワークにログインして・・・ということになると
重いけどしょうがないかとパソコンを持って出かけることになります。
以前と比べて鞄の重さは確実に2kg近く重くなりました。

おっと鞄の重さの話ではなくて、なぜ音響カプラーが鞄の中に、という話でした。

国内であれば今ではPHSカードがあればだいたい不自由することはありませんし、
それがだめでも、ちょっとした街中なら灰色のISDN公衆電話がどこにでもあります。

問題は国外ですね。
最近は国内と同じRJ11タイプのモジュラージャックを通信用に設けてあるホテルも増えてきたとはいえ
実際に自分が泊まるホテルの、自分が泊まる部屋に、モジュラージャックが設置してあって、
しかも壊れてなくてちゃんと使えるか、ということになると、
なかなか事前に確認することは難しいものがあります。

そこで音響カプラーの登場となるわけです。
確実に通信したいとなればこれに優るものはないでしょう。
昔を知る人にとって俄かには信じがたいことですが、今じゃ音響カプラーだって28.8kbpsの実力があります。
ちょっと我慢すれば画像だって充分やり取りすることができるんです。

必要なものはパソコンとモデム(最近は大抵内蔵されてますが)、音響カプラー、それから小銭入れ。
下の写真がフルセットです。

トーン式の電話なら簡単です。
受話器代わりの重しとしてフックレバーに乗せておいた小銭入れをはずして、
パソコンからダイアルするだけです。

パルス式の電話はちょっと面倒です。
まず電話単独でダイアルしてみて、ダイアルしてから接続して例のピーッという音がするまでの時間を測ります。
それから別に、パソコンがダイアルしてから待ち受け状態になるまでの時間を測ります。
準備ができたら時計を見ながらスタートです。
小銭入れをはずして、電話を手動でダイアルする。
ちょうどパソコンが待ち受け状態になった後に電話がつながってピーッと鳴るように時間を逆算して
おもむろにパソコンのリターンキーを押してダイアル開始させます。
面倒といってもたったこれだけのことですけどね。






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