重い鞄はどこにでも置きたくなりますから、底鋲が付いていることが必須になります。
鞄が重ければ、鋲もプレス品ではなくて金属の無垢材でできている丈夫なものを使いたいですね。
金具屋さんではこういった底鋲は挽き物と呼ばれているようです。
丸棒を旋盤で削って作るので「挽き物」
でも、鋳造されているものも挽き物と呼ばれていたりすることもあります。
確かに鋳物でも軸加工のために旋盤には載せる訳だけど・・・
ま、プレス品じゃないという意味に取っとけばいいのかな。
下の写真は、手に入りやすい市販の挽き物の底鋲です。
左の2個は真鍮を削り出したままのもの。裏側にはねじが切ってあります。
そのほかのものはメッキ品。
左から3番目のものは、裏側に穴が開いているだけでねじは切ってありません。
自分でタップを立てるか、ブラインドリベットのようなファスナーを使えということでしょうかね。
真ん中のものはどうやら鋳造品のように見えます。
右半分は挽き物に かしめ用の足をロウ付けしたものです。
かしめ用の足がロウ付けされているタイプの底鋲はデザイン的にも良い物があるのですが、
足の長さがしっくりこない場合が時々あります。
私の場合、底の厚さは表と裏の革と芯材を合わせて7〜8mmぐらいになることが多く、
足の長さがほんの少し足りないことがあります。
それに、鞄の内側にかしめの頭が飛び出してじゃまになります。
反対向きに凹ませてみてもあまり変わりませんね。
その点、ねじ留め式のものは、
底の厚さによって使うねじの長さを変えれば良いので便利です。
でも、このデザイン、
もうちょっと何とかならないものかなぁ
それに、地面に当たる部分が少し面取りをしてあるとはいえ 充分ではないので、
部屋の中に鞄を置くと、床に傷をつけてしまいます。
そこで、使う前に先端を丸く削ってみました。
さすがに旋盤は持っていないので
裏側にねじを奥までねじ込んで、それをハンドドリルでくわえて
サンドペーパーの上で回して成形します。
お、なかなか良い出来ばえ!
これなら床に傷をつけてしまうこともありません。
鞄の内側にねじの頭が見えるのはみっともないので、
内装を貼る前に底鋲を取り付ければよいのですが、
先に底鋲を取り付けると、その後の作業がやりにくいこともあります。
そんな時には、皿小ねじを使って、
まず、ねじの頭がちょっと陥没するまでねじ込みます。
その後で、沈んでいるねじの頭の部分に
内装に使ったのと同じ革を貼り付けて
ぼろ隠しをします。
革や芯材のへたりによるねじの初期緩みがおこりますから
最初に締め付けてから少し経った後で
ねじの増し締めを行いたいのですが
この方法だと、増し締めをしてから ぼろ隠しを取り付けることができるので便利です。
下の写真の鞄の底の部分にも見えてますよね。
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